2019-06/29-30【report】grand prix de mutuelles sisteron

レースレポート

sisteron


etape1
distance 106km
up 1081m↑
result 25eme
37℃

第一ステージは序盤は細い道、後半にかけてある程度道が広くなるコース。上りも厳しい設定はなく、問題は暑さ(37℃)のみとなった。


カテ2である事、短いステージレースの最初という事で逃げが非常に重要なのはもはや言うまでもない。


スタートしてから案の定アタック合戦になるが決まらず、最初のGPM前まで消費する。あわよくば山岳ジャージという事も考えてたのでアタックには反応するが散発的であり決まらない。そんな中lucaが乗ったアタックが一旦決まりGPMへ。


1km程の難易度の低いGPM山岳に入っていきアタックが掛かったのでそれにはしっかり反応。GPM通過後に逃げを捉え、カウンターでmeniniを含む4人程が先行。


この動きにより集団は落ち着きを見せたのでチームカーからボトルを受け取りボトル運びを行った。チームの為、というよりも暑さにより著しくボトルを消費するので必要な動きだったと思う。チームメイトにも渡し、レースを進める。


激しい(追走として逃げを捉える勢いのある)アタックはない。勿論アタックにはプロトンに残ったcyril、lucas、自分で裁いていく。


そんな中また良い抜け出しを成功させたのはlucasだった。ここが最大の躊躇ポイントで、チームメイトの追走を詰める必要が無いため「次のアタック」を待ってしまった。ここは一人で全力で抜け出し単独ブリッジをする必要があったと思う。「終わってみれば」
とも言えるが分からなかった訳では無いし、判断を失敗したのも事実。


その後の追走アタックには全てに反応し、反応後も仕方なく活性化させる動きをしたが全員が次のチャンスに掛けているので決まる事は無かった。


終盤、完全に終わってしまったプロトンから抜け出す動きに反応。タイム差をどうにか最小限にしたいと残り10kmを踏んでいくが結果的2分差を付けられたしまった。
第一ステージは完全に後手に回るという失敗に終わってしまった。コンディションは悪くないし、先頭で優勝争いを全力でしたかったのが本心。でもこれは自分の判断ミスであり、甘さが出てしまった証拠。チームとしては逃げ側のmeniniがマイヨヴェール、lucasが総合5位と良かったと言える。

etape2
time trial
distance 11km
up180m↑
result 9eme +36s


総合で2分遅れてしまった以上一番の狙いは区間優勝に定めていくしかない。次点で逆転劇による総合上位も考えていたが、狙いはとにかく優勝。


朝clementの協力でコースを試走し、ポイントを完全に抑える。しっかり集中していたしやれる準備は全て終えて挑んだ。
いつものスタイルに比べると前半突っ込み気味で後半にかけて耐える流れになった。(した。)勿論目に見えてタレる事はないものの、残り2kmからがあまり速くこなせなかったと感じる。


コースは全体を通して短く登って、緩い上り(1%~3%)or 平坦が続き、その後下るというのを繰り返した。体感による出力や感触の良さに比べ順位がtop10止まりなのは、上りを終えた後にスピードを高い標準に戻すという事に着手しなかったからだと思う。平坦・下り・上りは良いタイム/出力を維持できていたと思う。しかし上りでスピードが低下した後のリカバリーが甘く、その区間でタイム差を付けられてしまったように感じる。

リザルトはお世辞にも良いとは言えないものの、全力を惜しみなく出してTTの経験値を大きく上げられたのは自分にとって大きい。勿論出力と空力が物を言う競技だがコースによる走り方を考える事も勝利のための重要なポイントだと感じた。

f:id:hiryubmc02:20190705232831j:image【試走はclement協力の元入念に行った。前回の問題点も修正しTTだけに関しては合格点が上げられるだろう。】


etape3
distance 102km
up 1373m↑
result 41eme

35℃

第一ステージでのミスは大きいものの、TTにより総合は15位までアップ。TT前に考えていた逆転、ステージ優勝を手に入れるためにも逃げに乗る事を決意。


山岳が多い事、全選手ある程度疲労がたまっている事、カテ2という事で完璧なコントロールは難しいという事で勝算は十分にあったと思う。


今回も序盤からアタック合戦になるが落ち着いて対処していく。一回の判断ミスで終わってしまう事があるというのを今までのレース・前日で痛いほど味わっているのでこの日は判断ミスはなかった。


スプリントポイントを通過し、緩く山岳に入っていくポイントでアタックがかかる。先頭にいたので反応し、少し開いたので踏むのに協力。メンバーも良かったため逃がすまいとプロトンも踏んでくる。捕まったポイントで5人程が抜け出したので少し空いて単独ブリッジ。そして協力して踏んでいく。

こういった動きによりプロトンを動かす選手にも疲労(というより嫌気?)が溜まり、確実に逃げを作り出す流れを作る事が出来た。
そして一旦の上りきりでアタックが掛かる。誰もが動きたくないタイミングで勢いもあったので全力で反応。これが決まる事になる。
人数は自分を含め8人。

chamberyやマスタークラスのフランスチャンピオンを含み勢いのある逃げとなった。多少のゴタつきはあるもののローテーションを回しながら山岳を進んでいく。


ペースはある程度速く、一瞬でプロトンに1分を付ける事に成功。
しかし流れはGPM山岳(約3km/坦々と10%)に入ってから大きく変わった。

chamberyの選手のペースが非常に良く、一人で突き放していく事態に。また渓谷地帯を進む第三ステージには強い向かい風が吹いていて驚くほどに脚を消耗させていった。


逃げ集団のペースが悪い訳では無く、どちらかと言うとchamberyの選手が速いという印象を受けた。ちなみにこの日も気温は35℃近くまで上がり、向かい風も相まって山岳は地獄のようだったが無事越える事が出来た。


GPM直前ではマスタークラスチャンピオンともう1選手がアタックし抜け出しに成功。自分たちは前3人/5人と数的有利ではあるものの置いて行かれてしまう。
勿論自分としてはchambery、前二人に付いて行ければ完璧だったが本当に厳しく5人とキープするのが精一杯であった。


一番大きな山岳を終えた時点でプロトンとのタイム差は2分30分を超え、手ごたえのある動きには変わらなかった。

下りを終え、次の山岳に入っていくがここで本当の向かい風に遭遇。どんなに踏んでもスピードが上がる事は無くただひたすら苦しい時間を過ごす。先頭のうちドロップした1人も合流し6人でローテーションしていくが全選手が苦しかったと思う。


正直自分は早いながらこのあたりで終わり始めてしまう。午前に全力TT・猛暑・逃げ・向かい風・山岳というコンボが予想以上に体力を奪っていたと思われる。条件は全員同じだが自分としてはイケイケの逃げと言うよりは耐えるだけの逃げになっていった。それだけ余裕はなくなっていった。


正直60km地点からペースアップによって何度かドロップしたが、マイペース走法で復帰した。
70km地点の山岳でのアタックでまたしてもドロップ。踏み辞めることは絶対にしないが全力でも距離は縮まらない。しかし山頂部分で追走(7人程)が合流しそれに死ぬ気でしがみ付く事に成功。前とも合流しサバイバルな展開が始まる。


先頭は変わらずchamberyとマスタークラスチャンピオン。1分半後に自分たち(15人程)、2分後ろに追走、壊滅したプロトン という感じだ。


明らかに15人の中で自分が一番弱っていたのでゾンビ走法を繰り返す。山岳のアタックではどうしても遅れてしまうが下りやアタック後にペースが落ち着いた瞬間に合流。山岳は先頭で入るなどして全力で誤魔化していった。
残り12km地点の600m程の上りでとうとう完全にドロップ。情けない話だがもう力は残ってなかった。全力で誤魔化したが底を尽きてしまった。


この後も踏み辞めずにフィニッシュを目指したがマイヨジョーヌ含む20越えの追走集団に抜かれ(付くのも不可能だった)、結果的に先頭から8分遅れの単独でフィニッシュした。

色々思うところはあるが、何よりも動かない事実はchamberyとマスタークラスチャンピオンは二人で逃げ切ったと言う事。これは完璧な力負けを示していて、悔やむべき/何とかしなくてはいけないポイント。


この日は諦めないで全力を絞り出した。ゴール後は立てなくなった。その割にリザルトは悪く悔しい気持ちが強い。
プランは良かったし、強ければ逆転が起きていたと思う。トライとしては良かった。だからこそこのまま終わりではなく結果に結びつくようにして行きたい。


暑さ・突然の悪天候(雹)・個人TT・逃げ・向かい風 怪我や熱中症等無く色んなことが経験出来たのは良かった。本当ならステージ優勝・総合…なんていうのを実現したかったけど、終わってしまった事なので今はしっかり反省して来週のtour du pays roannais(エリートナショナル ステージレース)に挑みたい。


TOM GMのアドバイスを受けての振り返り


やはりレース後は悔しい気持ちと出し切ったという気持ちで客観的に振り返りにくく少し時間をかけて反省してみた。


完全に客観的に、感情論抜きにして現実を並べれば 今回も大きなチャンスを逃してしまった事になる。シーズンも折り返し、まだ目標である一勝は達成できていない。


シーズン前半の後半にかけてカテ1、エリナショのレース出場回数が増え、たまに来るカテ2は落としてはいけないチャンスのレースという位置づけになった。カテ1、エリナショに関しては最低限の任務やリザルト(完走)を得られているものの、カテ2は幾度となくチャンスを捨ててしまった。


結論から書くと指摘された通り、カテ2において自分の走りは「謙虚さに欠けてしまう」事が非常に多い。自信・過信・焦り・アドレナリン。カテ1、エリナショではクレバーに走れるのに対してカテ2だと無駄な動きが目立つ。


振り返ればgp de la municipaliteでは残り2kmからのアタックに失敗して20位、ville fleurie chatillonでは先頭の小集団に残ったものの残り3周でアタックして撃沈。seynodは逃げに乗ったのに落車して終了。tour de issoireは疲労もあって逃げを逃して終了。そしてsisteronでも第一ステージで逃げを逃した。


まず前半戦のカテ2でのアタックには完全に慢心があり、わざわざ仕掛けなくても良いタイミングで仕掛けていたと思う。自分としてもあれが日本のE1とかなら決まってたと思う(またはもう少し良い形だったと思う)。しかしここは本場フランスな訳で、地域的にレベルは高いと自覚している。


それなのに謙虚さが無く、アタック。自分のスタイルなのだから間違ってない。精一杯やって駄目だったから良い。という意識があった訳だがこれらが少し間違っている事に気づいた。勿論終盤のアタックは自分の勝ちパターンだから大切にはしたい。しかしいつまでも博打なようなアタックをしていてもそれこそ勝率は下がっていくだろう。


我慢して集団に残ってもスプリントじゃ勝てないかもしれない→アタック
ではなくて引き出しを増やして戦う必要がある。前半戦で失敗を繰り返して少し冷静になった。強くなった自覚はあるし、やっぱり独走で圧倒的に勝ちたい。でも客観的に見れば僕より強い選手はカテ2にもいる訳で、今までの強気な(無謀な)スタイルには疑問も残る。そしてなによりも結果が出ていない。


結果が出ていないという事は何かを変える必要がある訳で。それが今回明白になったのは謙虚さ・クレバーさだと自覚した。
sisteronのみに断定しても二日目の逃げに強い後悔は無い。必死に悔やむべきは第一ステージで逃げに乗れなかった事。しかもそれを繰り返してしまった事。


もし第一ステージで逃げに乗れば、TTを9位で終えたことから第三ステージもマイヨジョーヌをマークして動き、ある程度上位でフィニッシュ出来ただろう。


第一ステージでの観察眼・動き・本気度が足りなかったと言わざるを得ない。なにか惰性的に動いていたポイントがあった。暑かったなんて言うのはフラットな条件であって、その中で頭を動かし続けられなかったから失敗したのだろう。


僕は強くなっているが、結果がない(走り方に改善が絶対に必要)/僕より強い選手がたくさんいる(カテゴリー的にも年齢的にも分かり切っている事)という事を自覚して走る必要がある。


少し冷静になって、しっかり頭を丁寧に使って今後のレースには挑んでいこうと思う。積極性を失うのではなく(むしろその逆)、積極性を持って勝ちにいかなければならない。アタックすれば積極性がある訳じゃない。


明日からはエリートナショナルのステージレースtour de pays roannaisが始まる。現段階の自分で勝利するのは不可能に近いので、どう頭を使って生き残っていくかが求められる。考え方をアップデートして、冷静に、本気で走っていこうと思う。

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