目次
2021シーズン レースリザルト
・03/13 JBCF 播磨中央公園part1 … 41位
・03/13 JBCF 播磨中央公園part2 … 43位
・03/14 西日本チャレンジ u23 … 18位
・03/27 JBCF 広島ロードday1 … 36位
・03/28 JBCF 広島ロードday2 … DNF
・04/24 JBCF 東日本クラシック(群馬) … DNF 痛み出
・05/15 JBCF 群馬cscロード … 24位
・05/28 Tour of Japan st1 … 18位
・05/29 Tour of Japan st2 … 38位
・05/30 Tour of Japan st3 … 36位
・06/12 JBCF 群馬ロード … 14位
・07/04 JBCF 西日本クラシック(広島) … 17位
・07/10 JBCF 石川クリテリウム … DNF
・07/11 JBCF 石川ロード … 21位
・09/19 JBCF 南魚沼クリテリウム … 22位
・09/20 JBCF 南魚沼ロード … 6位
・09/24 JBCF 群馬cscロード day1 … 10位
・09/25 JBCF 群馬cscロード day2 … 12位
・09/26 JBCF 群馬cscロード day3 … 4位
・10/04 茨城CX cat3 … 1位
・10/10 清里CX cat2 … 1位
・10/16 JBCF 霞ヶ浦タイムトライアル … 2位
・10/17 JBCF 霞ヶ浦ロード … 11位
・10/22 全日本タイムトライアル u23 … 5位
・10/23 全日本ロード u23 … 17位 痛み出
・11/07 JCX 幕張 cat1 … 15位
・11/13 野辺山CX cat1 … 19位
・11/14 JCX 野辺山 cat1 … 39位
・11/21 JCX 琵琶湖GP cat1 … 34位
・11/28 JCX 能登 cat1 … 6位
・12/12 全日本CX … 10位
まず一覧として見てみると
・努力は変わらずとも、コンデションや状態によって大きくリザルトや強さが異なる事。(前半戦はとても弱い)
・ロードシーズンに関しては後半に向けてリザルトが概ね右肩上がりだった事。)
・CXシーズンは適応できていないコースの時や、それによってミスを誘発した時のリカバリが甘く、大きくリザルトに影響している事。(コンスタントに走れていない)
・全体を通じて2019年、フルでフランスで活動出来た年の約55レース(1 stageを1レースに含む)に比べ約25レース程少ない事。CXレースを除けば、1年で約30レース少ない事になる。
といった事が浮かんだ。細かく分析してみる事にする。
等が挙げられる。今回は項目ごとに分析も交えていく。
努力は変わらずとも、コンデションや状態によって大きくリザルトや強さが異なる事。
前半戦はどんなに粘っても41位、36位と酷いものだった。トレーニングやレースにおける苦しさは今までと同じかそれ以上なのに対し、能力が低くとても今までのようなパフォーマンスは発揮できなかった。原因はたくさんあるが何よりもメンタリティーに大きなダメージを与えてしまった事は大きく尾を引いてしまったようだ。
自分の年齢的に自分が理解しているよりもキャパシティが低く、自分を壊してしまった。故障に関しては2020年の6月ごろからあったものの、可能な限りトレーニングとリハビリには取り組んできた。しかし、10月頃から上記含む要因により充分なトレーニングを積むことが出来ていなかった事は明白だった。
正直ヨーロッパの環境で走る事はレベルが高く、そこに全てを賭けて挑戦していた事には誇りにすら近いものがあったし、強い意味を見出だして取り組んでいた。だからこそ少し「お休み」しただけでここまで日本ですら走れなくなってしまうものなのかという、一種の勘違い状態にも陥った。
ここから学んだことは大きく2つ存在する。まずはどんな環境、どんな時でもリスペクトを忘れてしまっては、その時点で二流以下だという事。その事に関しては日本だからとか、ヨーロッパだからとかは論点から外れると思う。
もうひとつは弱い自分を受け入れる事。僕にとって「あの時より弱い」という経験は今年が初めてだった。なにより、自分は競技としてこの世界に踏み入れてから、「確実に去年の自分よりも進化している事」という全体的な目標を持って活動してきた。
そのなかでの上記のような初めての経験はある意味第二にの挫折に近く、非常に苦しいものがあった。そもそもそういった目標があったのは「既に自分より強い本場の選手と差を広げない為、最善を尽くして差を縮める為」というところから由来している。
結論的にはそんな事だけに縛られず、今やれるベストな事を選んで進んでいく。折れずに改善していけるかが鍵になると思うのだが、当時は理想から逸れていくことに心のどこかで尾を引いていた。しかし、そんな心理状態でもやるべき事を続けていれば理解は深まる。どんな時でも、どんな状態でも騙されたと思って集中する事は時に大切で、そこから逃げ続けるようでは何をやってもたかが知れるという事に気がつく事が出来た。少し自分の芯が太くなったような気がした。ちなみに、1年を通した今振り替えれば、明らかに去年より強くなった自分がいる事も実感出来た。
ロードシーズンに関しては後半に向けてリザルトが概ね右肩上がりだった事。
これは抽象的な1の考察に比べ、一段と具体的だ。
上の通りに苦しいと感じつつもトレーニング・レースを重ね、超回復する事によって能力とコンデションを取り戻してきた。再び上限値を増やしていけたという表現が正しいだろうか。
メンタリティー的な回復も著しく、素敵で真剣な仲間と監督陣に囲まれたのは大きかったと思う。そして何よりも夏場の北海道合宿を大きなプラスとして活用することが出来た。ヨーロッパに似た広大な土地と湿度の低い環境。その中で2週間2回の休養日を挟みながら走る日々は自分の大好きなステージレースのようで一段と気持ちが入った。
そこからの後半戦は石川クリテリウムで戦略的な反省をし、以降は常にtop10前後、霞ヶ浦TTでは2位に入ること出来たのは最初の表の通りだ。南魚沼ロードでは逃げ集団でセコい手も全て使って走ったが、それはまだ現状のポテンシャルに対するコンデションが完璧ではない自分の弱さを受け入れた結果だった。
今までの自分に比べポジティブな反省は勿論、一見ネガティブ要素にも取れる反省をしっかり受け入れる事が出来るようになった。相反するようで、それもリザルトが軒並み向上したことに関わっている事は言うまでもない。
全体を通じて2019年、フランスで活動出来た年の約55レース(1 stageを1レースに含む)に比べ、1年で約30レース少ない事になる。
これは単純比較で、自分の中の渇望に過ぎない。もっとレースがしたい。トレーニングが中心の世界ではなく、あくまでレースが中心の世界で生きていたい。そう思うのは全選手がそうだろう。
勿論これは日本のレース事情を悪くいうものではない。間近で見ているからこそ、コロナ渦の中レースを開催してくれた運営サイドには頭が上がらない。だからこそこの日本の環境に真摯に向き合い、自分が強くなって再び本場で走る事を常に目標にしている。ヨーロッパの環境も日本の環境も全て理解して受け入れて、結果的に強くなるしかないのだと思う。そこに近道や遠回りはあるのかもしれない。しかし、自分が出来る事の可能性を模索しながら、上を目指すことは諦めたくない。
その為にはまず国内でトップクラスの選手にならなければいけない。来年は勝負だ。
総評
結論から書くと、今年は例年とは違った形で充実した年だったと思う。自分の本来決めていたルートと比べると挫折的に見えたり、色々な形に映るのかもしれない。しかし、進むべき道では強くなければ無慈悲に蹴散らされる世界だという事や、人間としてもレベルを上げていかないと成り立たない事も多いと見える。そういった意味では、故障を改善するという年間のミッションを達成した上で色々な体験をし、選手としての能力も向上したという事は僕にとってプラスと受け取ることが出来る。
高望みをせず、自分の位置を現実的に受け入れる。やってもらう事に対して可能な限りを尽くしてリターンをする。視野を広げて物事に対して様々な角度で考えられるようにする。些細な事の集まりだが、母国である日本で活動したことによって学ぶことはとても多かった。
今年は選手としても基礎に戻ってしっかり積み上げるイメージで能力の向上を試みた。勿論新たな発見は多く、これからの自分としても基盤になるような要素も見つけることが出来た。何より進むこと(強くなる事)に集中して競技と向き合い、全力を尽くせたことは何ものにも代え難い幸せだったと感じる。それだけ、原因が明確ではない故障は厳しいものがあった。
来年はこういった要素にネガティブ的に頭を悩ませることはなく。うまく付き合って進んでいけそうだ。一番の勝負所となる来シーズンに対し、既にやれる事は妥協無く取り組んでいる。2021よりも良いリザルトと良い走りをアピールして、再びヨーロッパへの切符を手に入れる為にも引き続き本気で競技に取り組んでいく。
チームメイトや監督始め、サポートして下さったスポンサー・サプライヤー様には深く感謝申し上げます。故障等により選手としてプロになる事を諦めかけた私を気にかけ、正しい方向へ導いてくれたチームにも強く感謝しています。
今年は日本を主戦場にした事もあり、応援して頂いている方々の存在もとても力になりました。引き続き最善を尽くして活動して参りますので応援・サポートの程を宜しくお願い致します!
香山 飛龍
camera : kasukabevision / kensaku sakai / 弱虫ペダルサイクリングチーム
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